注意!風邪を引いているときはCPAP治療はできない!

CPAP

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の対症療法としてに非常に効果がある上、副作用はほぼないCPAP。
でも、実は風邪を引いているときにはCPAPは使えません

この記事では風邪を引いているときにはなぜCPAPを使えないのか、どうすればいいのかについてお話します。

CPAPの最大の敵は風邪

CPAPの治療メカニズムは非常に単純明快。
鼻から圧をかけた酸素を送り込むことで気道に落ち込んだ舌を持ち上げ、体内に酸素を吸入するというものです。

逆にいうと、鼻に何らかのアクシデントが起こってしまった場合には、CPAPはその治療効果を十全に発揮できなくなります。
アクシデントの1つが風邪、特に鼻風邪です。

風邪を引いているときにはCPAPを使えない理由

鼻風邪を引くと、鼻水で鼻がつまってしまいますよね。
鼻がつまっている鼻炎状態でCPAPを使ってしまうと、CPAPから送られてくる酸素が刺激となってしまい、鼻炎症状が悪化する可能性があるためです。

鼻づまり解消に効果のある薬を使うという手段もありますが、基本的に鼻がつまっていたり、激しい咳が出るといった症状があるときには、CPAPは使えないと思っていたほうがいいでしょう。

風邪でCPAP治療ができなくても大丈夫なの!?

毎日CPAPを使っている人なら、CPAPがどれだけ熟睡に寄与してくれるかよく分かっていると思います。
そのため、CPAPを使えないとなると「SASの治療に悪影響を及ぼすんじゃないか…」、「CPAP治療前のように熟睡できないから体調が悪くなるんじゃないか…」と心配されるかもしれません。

確かに、CPAPを使っているときと比べると、熟睡感はイマイチになるでしょう。
(そもそも風邪を引いていて苦しいので、体調自体は悪いとは思いますが。)
ただ、CPAP自体はSASの対症療法、つまり「睡眠時の無呼吸状態」をどうにかするための治療方法であり、根本的に治す治療ではありません。
そのため、CPAP治療ができないからといって、SASの症状がすぐに悪化するということはありません。

CPAPはちょっとした昼寝のときでも使うと効果があるとはいわれていますが、一応推奨は一日4時間、週5日以上の使用とされています。
風邪で数日ほどCPAPが使えなくなったといっても、致命的というわけではありません。
ですから、CPAPを使えないことに不安を抱かず、まずは風邪を治すことに専念しましょう。

風邪でCPAPが使えないときの対症法として、以下をご紹介します。

①横向きで寝てみよう!

CPAPで治療されている方には、SASの中等症から重症の患者さんが多いと思います。
特に重症のSASの患者さんからすると、「横向きに寝ただけでそんなに睡眠時の無呼吸が変わるのかな?」と思われるかもしれません。

ある病院で行われた研究によると、以下のことが分かりました。
・仰向けで寝た場合は、1時間あたりの平均無呼吸状態は69回(つまり1分間に1回は無呼吸に陥っていた状態です)
・横向きで寝た場合は、1時間あたり平均無呼吸状態は37回
この結果より、仰向けで寝るよりも横向きで眠ったほうが無呼吸状態が半分に減ることがよく分かりますよね。

ただし、この結果は非常に個人差が大きいそうです。
半数ぐらいは睡眠時の無呼吸が半分以下に低下するようですが、横向きに寝てもあまり変わらない人も20%ぐらいいるそうです。

それでも、睡眠時の無呼吸がちょっとでも改善されるのなら、試す価値は十分にあります。
CPAPを使っているため、普段は横向きで眠る習慣のない方もぜひやってみてください。
横向きで寝るためのコツは、枕を高めにして、布団などを抱きかかえて寝ることです。

②そもそも風邪を引かない!

鼻風邪でCPAPを使えないようになる状態を予防する一番の方法は、「そもそも風邪を引かないようにする」ことです。
風邪を引かないようにするには、以下の2点に気をつける必要があります。
・疲れすぎ、無理し過ぎに気をつける
・手洗い・うがいを徹底する

「うがいごとき」と思われるかもしれません。
でも、意外とうがいは風邪の予防に効果があります。
うがいを毎日3回以上すると、うがいをしない場合に比べて風邪を引く確率が36%も低いそうです。
なお、「うがいにはヨード剤などの薬を使ったほうが効果があるんじゃないか」と思われる方もいるかもしれません。
でも、ヨード剤だからといって特別な効果があるわけではないそうです。
水道水でのうがいで風邪の予防効果が十分あります。

まとめ

SASの治療方法として非常に効果のあるCPAPですが、鼻風邪のときには使うことはできません。
CPAPは昼寝などのちょっとしたときに使っているだけでも熟睡感を発揮してくれる非常に心強い装置なので、使えないとなると不安になるかもしれません。
でも、1日、2日ぐらいならCPAPを使えなくても何ら問題はありませんので、あまり不安に思わないでください。

風邪でCPAPを使えなくなったときの対応策は、2つ。
横向きで寝ることと、そもそも風邪を引かないように気をつけることです。
特に一日3回以上のうがいを徹底することで、風邪を引かないように気を付けましょう。

文献
福岡病院 (2007). 福岡病院CPAP ニュースNo.24 Retrieved from http://www.interq.or.jp/kyuushu/sas/news/24.pdf (2019年2月26日)
Satomura, K., Kitamura, T., Kawamura, T., Shimbo, T., Watanabe, M., Kamei. M., Takano. Y., & Tamakoshi, A. (2005). Prevention of upper respiratory tract infections by gargling: a randomized trial. Am J Prev Med, 29, 302-307.

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